今回は文豪ストレイドッグス18巻(コミック)を読んだ感想をまとめていきます。
ネタバレ含みますので、内容を知りたくない方はご注意ください。
18巻は衝撃の事実や大どんでん返しが盛り沢山でした。
まず天空カジノの総支配人、シグマ。
シグマは【本】への書き込みによって生まれた人間だったのです。
異能力は【相手に触れることで「自分の知識の中の相手が最も知りたい情報」と「相手の知識の中で自分が最も知りたい情報」を交換する】能力名は【不明】とされています。
【本】から突然生まれて、自分の過去や家族など、「何も無い」シグマは唯一の自分の「持ち物」であり「家」である天空カジノを猟犬から守ろうと、必死に、必死に、逃げ出さずに立ち向かいます。
でも最強部隊の猟犬には及ばず追い詰められてしまったシグマは自分の身より天空カジノを守るために、猟犬燁子を道連れに天空から落下する道を選んだんですよ。
でも燁子に蹴り飛ばされて道連れすることもできなくなり、シグマひとりだけ地上に落下していって。
なんか切ない・・・と思ったところに敦君が登場し、シグマを救出するも、ナサニエルが現れたことで再び状況が悪化。
最後までシグマを助けようとした敦君の力、想いは叶わず、シグマは再び地上へ落下していくのでした。
地上が近づいてきて、自分の「最後」を感じたシグマだったのですが、なんとその地上には先の作戦の中で死んだはずのゴーゴリがいたんです!
ゴーゴリ生きてました!
そしてゴーゴリはドストエフスキーを殺す為、シグマにドストエフスキーの異能力がどういうものなのか読み取ってほしいと言うんです。
しかもしかも、黒蜥蜴の銀ちゃんも広津さんも生きてました!!
死んじゃったのかと気が気でなかったのですが・・・生きていました!!
ケガも大したものは無く、普通に会話もできる程元気な二人の姿に安心しました。
二人のお見舞いに行った立原。
そこで「武装探偵社がテロリスト」だと思うか広津さんと銀ちゃんに問いかけます。
二人からの返事はNO。
ポートマフィアは首領をはじめ、誰一人として「武装探偵社がテロリスト」だと思っている人間はいないんです。
二人とそんな会話をした時のことを回想していた立原は、急にハッと気づきます。
政府が犯人を間違えている!武装探偵社がテロリストな訳がない!ということに。
■感想■
最初から太宰さんと組んでいた安吾を除いて、立原が初めて「政府の人間」の中で「武装探偵社はテロリストじゃない」ということに気付きました。
立原!すごいよ!よく気付いてくれた!
ポートマフィアに長年潜入捜査員として潜入していたこと、潜入捜査員でありながらポートマフィアに、黒蜥蜴に愛着を持っていたことが大きなキーになったんだと思います。
ドストエフスキーが【本】の内容を改変したそうで、その内容が「武装探偵社を陥れた真犯人がいる、という証拠を得ても世界中の警察や捜査機関は検討しない」というもの。
その【本】に書かれた内容を立原が覆したんですよ!
これはもう政府の人間でありながらポートマフィアでもあった立原だから起こせた奇跡ですよね。
でも立原本人は、このことで葛藤を抱えていて、その部分にも、私はググっとクルものがあります。
自分は「政府の人間・警察・猟犬・正義」であるのに、そうであるはずなのに・・・
ふと、無意識にマフィアの掟が口から、当たり前のようにスルッと出てくる・・・
マフィアの仲間も、探偵社の人間も「本気で」殺しにかかれない・・・
自分は一体何者なのか、どう在りたいのか・・・?
今後の立原の動き、進んでいく道が気になります!
あと、敦君の「生きる」ということへの、想いの強さ、持っている熱さをあらためて感じました。
【本】によって生み出されたシグマが、自分には何も無いし、唯一の「自分の物」であった【天空カジノ】を守るために猟犬に必死に挑み抗ったけど、どれだけ必死になっても「天才」という部類の人間には、自分は敵わないということを悟って「生まれた意味」が分からない人生だった、ということを口からこぼしたんです。
そのシグマへ向けて放った敦君の言葉がガツン!と胸に響くものでした。
過去の敦君自身を目の前のシグマに重ねたのかな、とも感じられます。
シグマには「生まれた意味」を見つけて欲しい・・・見つけられるといいな
という感じの18巻でした!
あと巻末には「おまけ」として虫太郎のストーリーが載っています。
ポオの屋敷に匿われることになった、というストーリーなのですが、コレがまたすごい良い内容なんですよ。
虫太郎とヨコミゾの関係が本当に好きです。
ヨコミゾはもう居ないので、寂しさも感じるんですけど、でもとってもあったかいんですよ、二人を見ていると。
このストーリーも是非読んでいただきたいです。
19巻はどんな展開になっていくのか、発売日が待ち遠しいですね!